王太子時代のチャールズ2世の家庭教師が近代的な政治哲学理論を思索した。

Thomas Hobbes Kingdom of England哲学
Thomas Hobbes Civics

ホッブズ プロフィール

1588年4月5日~1679年12月4日 
17世紀のイングランドの哲学者、三十年戦争後のイングランドに生まれる。戦争を無くすにはどうすればいいのかを問う。
オックスフォード大学卒業 王太子時代のチャールズ2世の家庭教師や貴族の顧問などを務めながら研究を深めて『哲学原本』と総称される三部作を刊行。

1642年 『市民論』刊行 (哲学原本 第三部)
1651年 『リバイアサン』刊行 
1655年 『物体論』刊行 (哲学原本 第一部)
1658年 『人間論』刊行 (哲学原本 第二部)
1668年 『哲学原本』刊行 (哲学原本としてまとめて刊行される)

『市民論』目次

・自由 第一章~第四章
・命令権 五章~第十四章
・宗教 第十五章~第十八章

『市民論』

自由

①人間は本来お互い自由であるが、現存する不平等は市民法(国法)が導入されたことによる結果である
②無理強いされた約束はそれがもとで追い出されれたり、命を取られないようにするためにした約定でも正当である。
③自然法は永遠に不滅である。例えば高慢、忘思、約定違反、非道、侮辱などが許されたりすることは決してあり得ないことである。
自然法は神的権威によってイエス・キリストからなるお告げとして知られさらたものと同じである。

命令権

⑤人間(政治的動物)の統制は畜獣同士のようにはいかない→人間同士には体制や名誉による争いがあるが畜獣同士には存在しない。
⑥安全への配慮は罰則抜きには考えられない→強制的権威が必要である。
⑦国家の種類「民主制」「貴族制」「君主制」の三つである。
・民主制→市民の誰もが票決権を持つ国家
・貴族制→市民のある階層が票決権を持つ国家
・君主制→一人の権力者が命令権を持つ国家

⑧義務で縛られているいる者が「奴隷」で奴隷が義務で縛られている相手が「主人」である。
⑨市民は国家のみに奉仕して「自由」であるが、その上に同胞市民にも奉仕する者は「奴隷」である。
⑩国家が設立されることによる幸福の内容とは
・国家内では
 理想の支配・平和・安全・富裕・麗しさ・共同性・優美・学識・善意がある。
しかし国家外では
 感情の支配・戦争・恐怖・貧困・醜悪・孤独・野蛮・無知・粗野がある。

⑪奴隷は主人に子供は両親に対して服従の義務がある。それは聖パウロも「神の法に反することを除いて子供たちは両親に従いなさい」と言っている。



宗教
⑮神の法の認識の必要性→国の命令権が神の法に反しているかの判断ができないと市民の義務の認識ができない。


まとめ

有名な著作『リバイアサン』と共通なテーマ自然法・国家の体制・権力者の職務と権限・国家権力と宗教等を学ぶ。
人生を楽しく生きるための必読書。それがホッブズの『市民論』だった。
by楽二

・参考文献

リヴァイアサン 1 光文社古典新訳文庫 KCホ1-1 ホッブズ/著 光文社
リヴァイアサン 2 光文社古典新訳文庫 KCホ1-2 ホッブズ/著 光文社
ホッブズ リヴァイアサン 有斐閣新書 藤原 保信/著 有斐閣
世界の名著 28 ホッブズ 中央公論新社 ホッブズ/著
市民論 近代社会思想コレクション 01 ホッブズ/著 京都大学学術出版会

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