罪と罰 上 新潮文庫 工藤精一郎訳 ドストエフスキー

Dostoevskyドストエフスキー
Dostoevsky 1821-1881 novelist Russia

登場人物

Crime and punishment Dostoevsky

・ロオジン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ(ロージャ)
大学を除籍された、5階建て物件の屋根裏部屋の納屋に住む主人公→家賃を滞納していた。

・アヴドーチヤ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコワ(ドゥネーチカ・ドゥーニャ)
ラスコーリニコフの妹

・プラスコーヴィヤ・パーヴロヴナ・ザルニーツィナ(パーシェンカ)
ラスコーリニコフの住む家の大家→娘はナタリヤ・エゴーロヴナ・ザルニーツィナ(ラスコーリニコフと婚約したが病死)

・アリョーナ・イワーノヴナ
高利貸の老婆。ラスコーリニコフに殺されてしまう。

・セミョーン・ザハールイチ・マルメラードフ
居酒屋で知り合いになった酔っ払いの九等官の退職官史

→娘ソフィア・セミョーノヴナ・マルメラードワ(ソー二ャ、ソネーチカ)貧困のため売春婦になった。

・ピョートル・ペトローヴィチ・ルージン
ドゥーニャの婚約者

・ドミートリイ・プロコーフィチ・ウラズミーヒン(ラズミーヒン)
ラスコーリニコフの友人

ナスターシヤ・ペトローヴナ(ナスチェンカ)
ラスコーリニコフの下宿の女中

・アレクサンドル・グリゴリーウィチ・ザミョ―トフ
ラズミーヒンの友人、警察署の事務官

ポルフィ―リ・ペトロヴィチ
予審判事

・アルカ―ジイ・イワーノヴィチ・スヴィドリガイロフ
ラスコーリニコフを訪ねてきた男 ドゥーニャを家庭教師として雇っていた家主
妻のマルファ・ペトローヴナは3000ルーブルの遺産を残した。

カテリーナ・イワーノブナ・マルメラードフ
マルメラードフの妻、夫の葬儀をラスコーリニコフの援助で行う

プリへ―リヤ・アレクサンドロブナ・ラスコーリニコワ
ラスコーリニコフとドゥーニャの母

リザヴェータ・イワーノヴナ
アリョーナの義理の妹、ラスコーリニコフに殺害されてしまう。ソーニャの友人でもあった。

イリヤ・ペトローヴィチ
警察署長の副署長

ストーリー 上巻

7月はじめラスコーリニコフは居酒屋でマルメラードフと出会う。

彼の身の上話を聞かされる。

酔っ払いのマルメラードフを彼の家まで送っていき、少しの金を置いて帰る。

自分の部屋に戻ると母からの手紙が届いて、妹に起こった事件を知る。

さらに妹の結婚話を知るが、相手については認める事ができない。

どうにかして結婚を辞めさせられないかと思いこむ。

「俺が生きている間はこの結婚はさせぬ、ルージンなんで知ったことか」

K通りを歩いていると一人の女に気付く。

彼女の様子がおかしいので彼女に追いつくとまだ乳臭さが消えない幼い顔立ちの十代の少女だった。
だがその時、見知らぬ男がその少女をつけていたのに気付いて相手を制しようと声をかけた事をきっかけに喧嘩になりそうになるが、警官に止められる。
その後友人のラズミーヒンの家に向かうがその手前で行く事を思いどどまる。
それはある計画を実行してからだと考え思いとどまる。

歩き疲れたラスコーリニコフは草むらの上で倒れて寝込んでしまい、異常に鮮明で気味が悪いほど現実に似通っている夢を見る。
そのあと偶然にも高利貸の女の妹がいるのに気付く。

その妹がその場所に行くとの話を通がかりに聞きつけてしまう。

そうなると明日の夜、高利貸の女の家には彼女一人だけだと知る。
そして、その出来事より前にその高利貸の女から金を借りたあと、居酒屋の隣の客からその高利貸の女の話を耳にする
「あの呪われた老婆を殺してあり金を盗んだとしてもこれっぽっちの良心の呵責も感じない」と話していたのだった。
それはまさしくラスコーリニコフが考えていた事だったのだ。
計画を実行する時間が来た。
高利貸の老婆の部屋に入り、事を実行する。

しかし予想外にも妹が部屋に入って来てしまう。

しかも老婆が倒れているのを見られしまい妹と鉢合わせになってしまう。
そして、続けて妹も殺してしまう。
何とか部屋まで戻るとそのまま寝込んでしまう。

翌日目が覚めると盗んだ物品などの証拠を捨てなければならないと気付く。
すると下宿の女中のナスターシャと庭番の男が訪ねてきて、警察から呼び出しが来たと告げられる。
ラスコーリニコフは警察に出頭すると借金の支払いの督促だった。

その時に偶然にも犯行時に老婆の部屋に訪ねてきた2人組に遭遇して、事件の犯行の弁明の話を聞いてしまう。
なんとか部屋まで戻ると盗んだ物品を持ち出して、見つけた穴に捨てて処分する。
以前から計画していた、犯行が済んだら行く予定だった友人のラズミーヒンを訪問する。
ラズミーヒンからは本の翻訳の仕事を頼まれるが断ってしまう。
そのあと部屋を飛び出し、下宿へ戻りソファの上に横になりそのまま意識を失ってしまう。
あとからラズミーヒンと組合の男が訪ねてくる。

彼から母からの送金の話しを聞く。
またその事件当日現場にいたペンキ屋が自分の犯行だと言い出した事を知る。
そうしていると、妹の婚約者のルージンが訪ねてくる。
ルージンの話をおとなしく聞いていたラスコーリニコフだったが、最後はルージンに母親の事を悪く言うなら、「あなたを階段から突き落とす」と言い放ってしまう。
ラスコーリニコフの部屋から皆が帰るとラズミーヒンが用意してくれた服に着替えて部屋を出ていく。
通りをさまよっているとある飲食店に入る。

事件についての報道を知ろうと新聞を読んでいるとザミョートフ(ラズミーヒンの友人警察署の事務官)と出会ってしまう。
そこでのやり取りで老婆を殺したのは自分だと口走ってしまう。
その後店を出ようとするとラズミーヒンとばったり出会ってしまう。

ラスコーリニコフがなぜ店にいるのか、ラズミーヒンは君を探し回っていたのだと問いただすが

ラスコーリニコフは「そんなお節介はやめてくれ」と言って出ていく。

歩きながら警察に出頭してしまおうかと考えながらなぜか、事件の家の前にたどり着く。
あの夜以来の訪問だが、事件の4階まで上がり部屋へ入り込む。

内部は模様替えされて職人が作業していた。

部屋を借りるので見に来たと言うが職人や庭番には怪しまれ追い出されてしまう。

その後マルメラードフが馬車に惹かれた事故に出くわす。
マルメラードフを家まで送っていくが介抱の甲斐なく死亡してしまう。
その後ラズミーヒンの部屋を訪ねるがすぐ一緒に自分の部屋へ戻る。
すると部屋には母と妹が待ち詫びていた。

しかしラスコーリニコフは失神してしまう。

目を覚ますと母と妹にルージンとの結婚を断るようにと言う。
苛立つラスコーリニコフを残しラズミーヒンと母と娘は部屋を出て彼が案内した部屋に向かう。
ラズミーヒンは翌日9時に母と娘の部屋を訪ねるとラスコーリニコフの容態やこれからどう息子と接したらいいか母と娘と話しあう。
ルージンからの手紙で以前「階段から突き落とす」と言われた件でラスコーリニコフとは会えないという考えを知る。
その後ラスコーリニコフの部屋を訪ねると彼は昨日とは打って変わって元気を取り戻していて母と娘を喜ばせた。
この後のルージンとの顔合わせの席にラスコーリニコフを呼ぶという決断を母と娘はすることになる。
母と娘が部屋を出ていくとラスコーリニコフラズミーヒンに事件の部屋に残した質草の時計や指輪の事を話す。
するとそれらを取り戻すため予審判事のポルフィ―リに頼んでみようと部屋を訪ねる事にする。
ポルフィ―リは【月刊言論】に掲載された「犯罪について」というラスコーリニコフの論文を読んでいてその内容や事件の矛盾点を問い詰める。
ポルフィ―リの部屋をあとにして部屋に戻るが、見知らぬ男から「人殺し」だと言われる幻覚を見る。
その男はラスコーリニコフを訪ねてきた男のアルカ―ジ・イワーノヴィチ・スヴィドリガイロフだった。ここまでが【罪と罰】上巻

コメント

タイトルとURLをコピーしました