「パンセ」は作者の死後、残されたノートをまとめて出版した遺稿集である。

Blaise Pascal Royaume de France哲学
The human being is reed to think

パスカル プロフィール

ブレーズ・パスカル 1623~1662 フランス中部クレルモ生まれ。母アントワネットはブレーズ3才の時に死別。
父エティエンヌは裁判官であったが退官後パリに移る。

科学者でもある父から英才教育を受けたブレーズは学校に一度も通うことなく成長するがその後数々の数字、科学的理論を著わした。
生涯を通して自然科学と宗教信仰の研究に尽くした。晩年にはキリスト教弁証論に取り組んでいたが完成を待たずに39歳で病死。

〇パスカルが残した理論、業績〇
・円錐曲線試論
・機械式計算機
・パスカルの定理
・パスカルの三角形
・確率論
・パスカルの原理

『パンセ』目次

第一章 精神と文体とに関する思想 【断章1~59】
第二章 神なき人間の惨めさ 【断章60~183】
第三章 賭の必要性について 【断章184~241】
第四章 信仰の手段について 【断章242~290】
第五章 正義と現象の理由 【断章291~338】
第六章 哲学者たち 【断章339~424】
第七章 道徳と協議 【断章425~555】
第八章 キリスト教の基礎 【断章556~588】
第九章 永続性 【断章589~641】
第十章 表微 【断章642~692】
第十一章 預言 【断章693~736】
第十二章 イエス・キリストの証拠 【断章737~802】
第十三章 奇跡 【断章803~856】
第十四章 論争的断章 【断章857~924】

『パンセ』

有名な「人間は考える葦である」のくだり

人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である。彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。
蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。
なぜなら、彼が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。
だから、よく考えることを務めよう。ここに道徳の原理がある。

第六章 三四七 250P
パンセ 中公文庫  パスカル/著 前田 陽一/訳 由木 康/訳より

人間は弱い生き物であるが、宇宙の中では唯一自身で考えることができるのだ。

この先遠い未来に宇宙や空間に人間がおしつぶされる日が来るかもしれないが、その前に人間はどうすればいいのかを考えることができる。
たとえ宇宙一弱い生き物でも考えることで生き延びられる可能性がある。

人生を楽しくするために考えましょう。

まとめ

『哲学をばかにすることこそ、真に哲学することである』

人生を楽しく生きるための必読書。それがパスカルの『パンセ』だった。
by楽二郎

・参考文献

 パンセ 中公文庫  パスカル/著 前田 陽一/訳 由木 康/訳
 パスカル パンセ抄 ブレーズ・パスカル/原著 飛鳥新社
 パンセ パスカル NHK「100分de名著」ブックス 鹿島 茂/著 NHK出版
 パンセ 上 岩波文庫  パスカル/著 岩波書店
 パンセ 中 岩波文庫  パスカル/著 岩波書店
 パンセ 下 岩波文庫  パスカル/著 岩波書店
 パスカルにおける人間の研究 岩波文庫 三木 清/著 岩波書店

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